一条工務店への入社時、私の年齢は36歳。これまでの職歴を考えても、正直、キャリアダウンや年収の心配はなかったと言えば、ウソになります。でも、背中を押したのは、「こんな仕事があるなんて!」という驚き。そして妻からの「あなたの好きなことをすればいい」という言葉。ありがたかったですね。だからこそ、一条工務店の成果主義の説明を受けて、がんばれば必ずポストも年収も上がると確信ができ、不安はなくなりました。
あれから10年、多くのお客様や社員と出会い、今は店長職を任されています。住宅営業の仕事は、毎日が変化の連続。同じお客様はいないし、ご契約をいただく道筋も毎回違います。でも、だからこそ面白いんですよね。展示場での接客で過去にこんなことがありました。一条の家づくりについて一通りお話を終えた後、お客様が「一条さんで、二世帯住宅として家を建て替えたい」とおっしゃったのです。けれど私は、「ありがとうございます。でも、建築計画を考え直してはいかがですか?」と逆提案をしました。お話を聞くなかで、もう一度ご家族全員で話し合われた方がいいな、と感じることがいくつかあったからです。結果、「やっぱり、建て替えは見送り」という結論に至り、ご契約は成りませんでしたが、このお客様にはとても感謝されました。
一見、チャンスを逃しているように見えるかもしれません。でも、家づくりというのは、単純に売る、買うというものではありません。お客様が納得してからスタートするものだという一条工務店の考えのもと、お客様へ誠実に提案できることが、確かな人間関係を築くことにつながると私は考えています。このようなことは、エンジニアの仕事では経験できなかったですね。このお客様が将来、課題をクリアされて、「やっぱり一条工務店さんで建て替えしたい」と訪れてくださったら、これほど嬉しいことはありません。 |