先輩社員座談会

第2章「熱くなるって、恥ずかしい?」

第2章「熱くなるって、恥ずかしい?」
司会

今日の一条工務店の成長を支えてきたキーワードの1つは、企業と働く人の「素直さ・まじめさ」だと思います。これは先ほどご紹介した、現代の若者の「プラスの傾向」と一致しています。もう1つのキーワードは「本気・熱さ」。「お客様よりも、お客様の家づくりに熱心であろう」という理念が示すように、ここで仕事をしていくには、このような「熱さ」が欠かせません。ところが、先にご紹介した若者の「マイナスの傾向」として「本気に・熱くなれない」ということがあります。

さてそこで、2つ目のテーマとして、「どうして本気になれるのか、熱くなれるのか?」 「“本気になった”先には、どんなよいことがあるのか?」を、10年以上のキャリアを積んだ皆さんの実体験から、語って頂きたいと思います。

粟津

でも、実は自分はあまり熱くなれないタイプでなんですよ。設計の仕事をしたくて入社しましたが、最初に少し工事課を経験したあとは、本社の免震部で実験を繰り返す日々。仕事はテキパキこなしていましたが、どこか腰かけ感覚でまさに「熱くなれない」でいました。ところが、1級建築士の資格を取り、設計課に異動することになった時、免震部の上司に「設計がやりたいなら今度こそは本気でやれ!」と言われたんです。免震部にいる間、熱くなれないでいたことを見抜かれていたんですね。それをあまりにも的確に言い当てられた気がして、ようやく本気になることができたんです。

瓦林

そういう上司のひと言が新人には大きいんだよね。だから僕はマネージャーとして、「育てる」ことに本気になりたいと思っています。そんな僕が熱くなったのは、新人の営業が設計図のミスでお客様からクレームを頂いてしまった時のこと。上司として夜中まで電話対応をした日もありましたが、「ここで熱くなれないとこの子がかわいそうだ」と徹底的に付き合いました。住宅営業の仕事の醍醐味は、受注を上げること、目標達成することだけではなく、お客様が本当に心から「ありがとう」と言ってくれる、得難い経験ができること。自分も上司や先輩に助けてもらって、その喜びを味わってきたのだから、そうやって本気で育てるのが今の自分の使命だと思っています。

山本

確かに教えることには熱くなるかも。工事監督を数年やった後、本社の工事部に異動になり、研修を担当することになったのですが、それがちょうど女性の工事監督を強化しようとしていた頃。とくに女性の研修生が多い時には、「いかに工事監督の楽しさを教えるか」に熱くなりました。OL感覚でいる人にとってはずいぶんイメージと違う仕事なので、それをどうにかして伝えたかったのです。そのために写真をたくさん見せたり、現場に連れて行ったり、オリジナルのプログラムまで作ったんですよ。それもやっぱり、自分が現場にいて楽しかったからだと思うんです。

司会

仕事の楽しさを知っている上司が、「育てる」ことに熱くなる。だから自然と新人も熱くなれるのかもしれませんね。

   
 
中村

熱い姿を「見せられる」ことも大きいと思います。ある時僕の上司が「すでに別のメーカーで契約が決まっているが、間取りを参考にしたい」とモデルハウスに来場されたご夫婦の接客をしたのです。普通なら「そうですか、ではご自由に」と引き下がりそうなものですが、上司は家づくりの際に考えるべきポイントを語り始めたんです。結局、「では一条はそのポイントをどう実現するのか見てみよう」ということになり、ご夫婦は現場見学へ。午前中の見学を済まされたところで早くも、「やはり一条で建てることにします」という話になったのですが、上司は「(ご契約は)まだ早いです。午後の内容も見て頂いてから」と見学を続けたのです。僕ならまず、出会いのところで引いてしまうだろうし、お昼の段階で契約という言葉が出れば「早く手続きを」と思ってしまったはず。その上司の行動には「お客様より熱心」ということが染みついていたのでしょうね。実に劇的な出来事で、大いに熱くなったのを覚えていますが、自分もそんな感動を後輩に与えたいものです。

司会

上司の方の熱い姿を見て、中村さんも影響されたのですね。そんな「自分が熱くなったことで周りが変わった」というご経験がある方はいませんか?

 
吉村

本社からまた現場の工事課へ戻った時のことですが、そのエリアの工事業者さんの全体のレベルアップを図るため、一社一社、一人ひとりと話し合いをした時は、かなり熱くなりましたね。一条工務店の家づくりに対する考え方について、とにかく熱く語った気がします。中にはわかりあえず、物別れに終わった業者さんもありましたが、大半は、私たちの熱い思いをわかってくれ、協力的に変わっていったんです。

司会

そうやって熱くなれたのはなぜだったのでしょう?

吉村

「社員と業者さんとお客様、全員が同じ方向を向いてやらなければよいものはできない」という思いが強かったからだと思います。本社にいた時は、工事監督からも煙たがられる立場だったので、業者さんの前に監督とのコミュニケーションが必要なのですが……。

山本

確かに!工事監督時代には、本社の人とよくぶつかり合いましたね(笑)。工事監督は、現場で一緒に仕事をする業者さんに一番共感するし、直接お客様に接する営業はお客様に一番共感するもの。共感すると感動もするから、つい熱くなって本気でぶつかってしまうんですよね。

馬場

そういえば工事から営業に異動になった時は、「接客なんて難なくできるだろう」という軽い気持ちでいたのですが、やってみると、これが全くできなくて!この時の接客練習には本気になりましたね。人のいない展示場で1人練習したり、プライドを捨てて後輩に意見を仰いだり。

司会

そうやって先輩に本気で来られたら、営業経験の長い中村さんならどうされますか?

中村

本気で来られたら、たとえ先輩でも、ダメなものはダメと言うでしょうね。言いにくいですが、本気で来られたらこちらも真剣に返さないとかえって失礼だと思いますから。逆に、相手が本気じゃないと感じたら、「いいんじゃないですか」と当たり障りのない言い方をするんだろうと思います。

司会

1人の本気が別の人の本気を引き出すのでしょうね。こういう関係であれば、「熱くなるのは恥ずかしい」なんてことを気にする必要はないかもしれません。ところで、「お客様のこの言葉で熱くなった」という経験をされた方はいらっしゃいますか?

山本

私はお客様とお話をする際、「一生のお付き合い」という言葉を使うことがあるのですが、「山本さんのその言葉を聞いて一条さんに決めました」とおっしゃったお客様がいて、気持ちが改まる思いをしたことがあります。お客様は、そういう覚悟を決めてくださっている……改めて、「一生のお付き合い」という言葉の意味を本気で考え直したできごとでした。

粟津

自分が設計をした家を見たお客様に「ここを担当した方に設計をお願いしたい」と言って頂いた時には熱くなりましたね!設計打ち合わせではどうしてもお客様の要望を聞いてそれに応えるのがメインになりますが、その時は自分がよいと思ったアイデアを何とかおすすめしたくて、図面だけでなく室内を3Dで描き起こした内観パースまで描いて持っていったんです。やってみるとこれは説得力を持たせるのには非常にいい方法で、おかげでその後、自分のアイデアを自信を持って提案できるようになりました。

司会

熱いですね!最初に「熱くなれない」と言っていた方とは思えませんね(笑)。

粟津

「本気になれ」と注意された甲斐がありましたよ!(笑)ちなみに設計の立場からすると、営業との間に温度差があるとちょっとね。「お客様から言われて図面にしたから、清書だけしてください」なんて言われると、「こっちはいいものをつくろうと思ってるてのに!」と少々イラッとするんです。

瓦林

営業は、お客様にいい顔ばっかりしていてもいけないからね。お客様が間違っている時には、よりよい提案ができなければ。

司会

なるほど。営業が熱いと、やはりそれはいいプロジェクトになるものですか?

一同

深くうなずく。

司会

本気で向き合うことで、自分も周りにも変化が生まれ、その結果、お客様にも周りにも感謝され、仕事が楽しくなっていく……どんな仕事でも、仕事そのものだけの楽しさではなく、「本気」になることで楽しくなるのかもしれませんね。やりがいのある仕事は、熱くなること、本気になることでつくられる。これは就活生にとっても大きなヒントになりそうです。