人生観を変えた親方との出会い 中川 太智

PROFILE

三重県出身
四日市中央工業高等学校 設備システム科卒
入社4年目

  • 大工になろうと思った理由を教えてください。

  • 子どもの頃から「とにかく早く働きたい」という気持ちがありました。まぁ、勉強が苦手だったからなんですけどね(笑)。だから卒業したら就職したい、と思っていました。いろいろある仕事の中から大工を選んだのは、高校生の頃に実家の建て替えがあり、そのときに見た大工さんに憧れたからです。その後、母が一条工務店を薦めてくれたこともあり、特に他と比較することなく入社を決めました。

  • 大工の世界に飛び込むことに不安はありましたか?

  • 高校は建築科ではなかったのですが、工業高校だったので「同じモノづくりだから何とかなるだろう」と思っていました。でも実際に入社して研修が始まってみると大変でしたね(笑)。

  • 何が大変でしたか?

  • 勉強が苦手だったので、尺貫法などを覚えるのが大変でした。同期には建築科出身の人もいるので、どんどん差が開いていくのを感じて、最初は落ち込んでいました。研修を終えた後、寮に戻ってから必死で勉強したのを覚えています。 ※日本で古くから使われてきた長さや面積の単位

  • 苦手な勉強にも取り組んだんですね。

  • やっぱり「大工として成功したい」という目標があったので、がんばることができました。学校の勉強とはモチベーションがぜんぜん違いましたね。あと、仲の良い同期が勉強に付き合ってくれたり、指導員が丁寧に教えてくれたりしたのも力になりました。

  • その後は順調に上達しましたか?

  • いえ、それがそうでもなくて…。慎重な性格なのもあり、最初は失敗するのが怖くて、なかなか作業が進みませんでした。ビスを打つのも石膏ボードを切るのも、手を動かすまでに時間がかかってしまって、同期と比べると作業は遅い方で…。なかなか自分に自信がもてなかったですね。

  • そんな時、心の支えになっていたものは何でしたか?

  • 寮で生活を共にしている同期の仲間です。特に落ち込んだときなどはみんな声をかけてくれて。夕食では、よく鍋を囲んでいました。「とりあえず、ゴハンでも食べよう!」という感じで集まって、励まし合っていました。あれがなかったら続けられてなかったかもしれません。

  • いい仲間に恵まれたんですね。研修を終えて地元へ配属になったのはいつ頃ですか?

  • 寮生活は少し不安もありましたが、同期が一緒というのは心強かったです。現場配属は入社した翌年の6月頃でした。ほとんどの人は1年以内に現場配属されるので、僕は同期の中では一番遅かったです。

  • 配属にあたって不安はなかったですか?

  • やっと現場に行ける!地元に帰れる!という嬉しい気持ちもありましたが、まだ自分の技術に自信を持てていなかったので、不安とプレッシャーが大きかったですね。今振り返って考えると、配属されてからの半年間くらいが一番悩みました。

  • 思うようにいかなかったのですか?

  • 研修で学んだものの、現場配属ではさらに新しい知識や技術が必要な場面も多く、必死でした。「本当に自分は大工に向いてるのかな…」と悩むこともありましたが、弱音を吐くのは嫌だったので、とにかく親方についていけるよう、がむしゃらにがんばりました。

  • どうやってその時期を乗り越えたのですか?

  • 親方のおかげです。親方は、僕の意見を尊重しつつ、目標を定めてそこまでの道筋も示してくれるんです。いっぱい話を聞いてくれて、わからないことは何度も教えてくれました。だから、迷った時も相談もしやすくて。目標と道筋が見えたことでやる気のスイッチがしっかり入り、親方とたくさん話をする中でモチベーションも上がっていきました。

  • 親方には何でも話せますか?

  • 本当に何でも相談できるので、仕事のことだけではなく、僕のプライベートまでほとんど知っています(笑)。人生観を変えてくれた人です。

  • 今はもう自信はつきましたか?

  • そうですね。失敗を恐れて作業が遅かったのも、経験をたくさん積むことで克服できました。今は研修期間として親方と一緒に作業をしていますが、今後半年以内にデビューすることを目標にがんばっています。

  • では最後に、今後の夢を教えてください!

  • 「この大工さんなら間違いない」と安心して任せてもらえる大工になりたいと思っています。いずれ後輩を教える立場になったら、親方のように道筋を示せる人になりたいです。

中川さんから、
学生さんへメッセージ

誰でも最初は「自分は大工としてやっていけるかな」と不安になるかもしれません。でも、「やるしかない!」という強い気持ちで続けていれば必ず成長できます。 もし壁にぶつかっても、悩みを共有できる同期が支えてくれます。「自分は大工に向いてないんじゃないか」と悩んでしまった僕でも、今は一人前としてデビューできるレベルにまで成長できてます。心配せずに飛び込んできてください!

1日の過ごし方

  • 6:00

    起床・準備

  • 6:45

    家を出る

  • 7:30

    現場到着

  • 8:00

    作業開始

    今日は住宅設備の取り付け。午前中にキッチンが届くので、搬入業者さんと一緒に設置します。

    他にもカップボードや洗面台、ドアの取り付けなどがあります
  • 10:00

    休憩

  • 10:30

    キッチン取り付け作業の続き

    設置した設備の固定や付属品の取り付けなどを行います。

  • 12:00

    昼休憩

    親方や他の職人さんと一緒に弁当を食べます
  • 13:00

    午後の作業開始

    午後はドアの取り付け。枠を設置してから届いたドアを取り付け、動作確認と微調整を行います。
    完了したら工事管理ソフトで写真を撮って報告します。 ※会社から支給される大工タブレットで工事の進捗を報告します。

  • 17:00

    作業終了

    終了前に翌日の準備とそうじをします
  • 18:00

    帰宅・自由時間

  • 22:00

    就寝

    良いコンディションで翌日の仕事に臨むために、しっかりと休みます

休日の過ごし方

外出が好きなので、休日はドライブや買い物に出かけることがほとんどです。現場の職人さんたちと釣りに行ったり、冬にはスノーボードに行くことも。同期の仲間たちが今はそれぞれの地元で大工をしているので、旅行で訪れたときはホテル代わりに泊めてもらっています(笑)。

  • 冬はスノーボードに行きます。みんなでワイワイ楽しむのが好きです。
  • ドライブにもよく行きます。これは親方や職人さんたちと富士山まで行った時のもの。
  • 伊勢にて。寮で一緒だった同期が訪ねてきたので、地元を案内しました。