ここまでお伝えしてきた通り、1978年の創業以来、一条工務店は「地震に強い家」という、人の命を守る家づくりを追い求めてきました。
でも、家に必要なのは強さだけではありません。
人は生きているうち、長い時間を家で過ごす。だからこそ、一条が目指してきたのは、自然と幸せを感じられる「夢のような家」でした。
ただ、「夢のような」とは言っても、そんな大それたことではありません。
朝起きて深呼吸をすると、とても澄んだ空気で「今日もがんばろう」と思えたり。
寒い夜、温かいお風呂に浸かったあと、ポカポカのままアイスを食べたり。
晴れた日に、親子で床に大の字になって日向ぼっこをしたり。
夜のとばりが下りてから、静かな部屋で、深い眠りに落ちたり。
空気がきれいで、夏も冬も過ごしやすくて、室温も湿度もちょうどよくて、静かで居心地がよくて……。一条が目指すのは、そんな“快適”と“健康”によって、毎日の何気ない、でも、かけがえのない幸せが約束された、「夢のような家」。だからこそ、一条はこのひと言をキャッチコピーとして掲げ続けてきたのです。
「家は、性能。」
この言葉は、実は創業30周年という節目に掲げられたもの。住まいづくりにおいて、お客様に伝えたいことは山のようにある。ただ、それをひと言のメッセージで表すとなると……。家は……、性能……?「おぉ、そうだ、それだ!」まさに満場一致。その場に居合わせた全員が一気に腹落ちしたそうです。それは一条が誕生した30年前から、社員全員がずっと同じ気持ちで家づくりに向き合ってきた証でした。
一条がつくる家の性能については、話を始めれば何時間、いや、何日あっても足りません。高気密・高断熱構造、熱交換換気システム、全館さらぽか空調、太陽光発電や蓄電池システム……その一つひとつには、一条のフィロソフィーがぎゅっと詰め込まれています。
その中からここで一つピックアップするなら、一条を代表するテクノロジーである全館床暖房のお話でしょうか。
そもそも、一条は、住まいの暖房方法に大きな不満を抱いていました。なぜなら、一般的なエアコン暖房では、どうしても暖かい場所と寒い場所ができてしまい、また、その暖かい部屋でさえも、本当の心地よさとは乖離があったからです。もっと一条の家に最適な暖房があるんじゃないだろうか。こうした一つの想いから、一条の開発は始まります。
その中で、一条が可能性を見出したのが「床暖房」でした。皆さんは、床暖房というと、足を載せただけでポカポカとしてくるものをイメージされると思います。そのイメージのまま、一条の床暖房を初めて体験すると、きっと「えっ??」と思われるでしょう。
一条の床暖房にそっと足を載せると、「本当に床暖房ついている?」と感じるほど。表現するとしたら、「床が冷たくない」という方が正しいかもしれません。それなのにエアコン暖房もヒーターも用いず、なぜか家全体は春のひだまりのような優しい暖かさに包まれる。この心地よさを床暖房だけ、しかも低い温度のお湯(なんと25℃!)を回して十分な暖かさが得られるのは、まさに部屋の温度を逃がさない「家の性能」のおかげなのです。床を温めるエネルギーが少なければ、その分電気代も安く済みます。それに、低温やけどといった心配もなく、まさに“いいことずくめ”です。
この全館床暖房が生まれたのは、一条が「人が、自然体で暮らせる家」を目指していたことが大きな理由の一つです。人が、一年中、安定した温度の中で常にストレスなく、ラクに過ごせる環境は、健康的な暮らしに大きく貢献できると考えていたのです。
また、人が健康でいられるための“性能”を、決してお客さまにとって特別なものにしないということも、一条は常に胸に刻んでいました。
お客さまにご負担いただくイニシャルコストを減らせるなら、“性能”を実現するための材料も、オリジナルでつくってしまえばいい。そうしてなんと、海外に独自の生産工場までつくってしまったのです。
「家の性能で、もっと身体に負担のない暮らしを提供できるのではないか」「もっとお客さまの負担を減らせるのではないか」
一条の初期から受け継がれる「もっと、もっと」のマインドが、今の一条の数多くの“性能”をつくりだしているのです。
全館床暖房
ここまで、あなたと一緒に一条工務店の歩みを振り返ってきました。一条のDNAはどこにあるのか。受け継がれてきたマインドとは何か。少しでも、あなたと共感できることがあったのなら、嬉しいです。
そして最後に、少しだけ未来の話を。
今から40年以上前、一条の創業者が立ち上がったあの日から、日本も地球も、ずいぶんと様変わりしました。災害で誰かの幸せが奪われました。どこかで新しい命も生まれました。環境、文化、生活スタイル、何もかもが、あの頃とは違う。そして今この瞬間も、私たちの暮らしは刻一刻と変化しています。
これからも想定外の地震はやってくるでしょう。水害もより深刻になっていくでしょう。今までに見たことがないような巨大な台風に、襲われる日もやってくるでしょう。
こうした時代の変化、環境の変化に家が適応していけるよう挑戦し続けなければなりません。それは、決して容易なことではないはずです。けれども、思い出してほしい。一条の創業者があの日、「私が、やらなきゃ」と胸に抱いた、大きな決意を。そして、志を同じくして集まった仲間たちのことを。そう、ひとりじゃなく、皆で知恵を振り絞って突き進めば、どんな大きな壁であっても力強く乗り越えて行けるのです。
そして、今日も、一条工務店は、終わりなき挑戦を続けています。
今この時、このご家族へ、最高の住まいを届けるために。
海外生産
「もっと快適な家づくり」を目指す一条は、常に新たな技術開発に余念がありません。かつての開発の過程では、一般市場にある部材では理想のテクノロジーが実現しなかったり、お客さまにとっても大きなイニシャルコストがかかってしまったり、悩みのタネが尽きませんでした。そこで思い切った一条は、「自分たちのシステムは自分たちでつくってしまおう」というスタンスに舵を切りました。現在、コアテクノロジーに関わる部材はもちろん、住宅設備を含む約80%を海外の自社グループ工場で生産しています。高い住宅性能を叶えると同時に、お求めやすい価格を実現しています。
“It” PRODUCT
i-smart
i-smart
2011年、高い住宅性能に“美しさ”を兼ね備えたスマートデザイン住宅として発売した「i-smart」。機能性を追求してきた一条が新たなステージに進んだことを示す、一つの革新的な商品です。発売から10年以上経った今も、日本で最も建てられている住宅商品※という長く愛されている住まいです。※住宅産業研究所調べ