天国と地獄を見た野球人生が、
営業としてのバックグラウンドを築いた。
加藤 篤史ATSUSHI KATO
野球に全力でぶつかってきた学生時代を過ごしたからこそ、その先に見えたもの、そして今の営業という仕事につながるものがある、そう語ってくれました。
原点へこたれない、前を向く。
仕事で生きる、逆境を乗り越えてきたタフさ。
学生時代に力を入れたことは?という問いに「野球、野球、野球の学生時代でした」と答えた加藤。ポジションはピッチャーだったそうです。
「選抜に選ばれて、台湾で開催された世界大会ではベスト8までいきました。その勢いで中学では、部活ではなく強豪のクラブチームに入りました」。周りからも期待されていたそうですが、怪我が加藤の活躍を阻みます。
「中1の冬から肘が痛くなり、騙し騙し続けたんですが、なかなか治りませんでした。中3の大会は痛み止めをして出場しました」。中学卒業後に手術。1年を棒に振ったそうです。
「絶対治して試合に出てやる、というのが当時のモチベーションでした。1年間投げなかった僕に、もう高校で通用する投球は無理でしたが、気持ちを切り替えてピッチャーから外野手に転向し、レギュラー入りも果たしました」。甲子園には届きませんでしたが、最後まで諦めなかったことで、手にできたものも多かったと言います。
「高校時代は、怪我の治療やリハビリで苦しいことの方が多かったです。支えてくれたのは、『常に前向きで居る』という監督の言葉でした。できるかどうか分からない困難な時に、『何とかしてできる方法はないだろうか?』と考えるように導いてもらいました。『こうだから仕方がない』ではなくて、『こうすれば上手くいくかな?』という切り替えの発想です。これは、現在でも常に頭に置いています。どんな仕事でもそうだと思いますが、壁にぶつかった時にどう考えるかが大事なんです。僕は不器用なので、しょっちゅう壁にぶち当たっています(笑)。そのたびに、『さあ、どうやって解決しよう?』と前を向きます。困難な壁を前にしても「なにくそ」と必死で前を向いてきた、あの頃の僕の顔が浮かびますから」。
肘の故障を乗り越え、這い上がってきた加藤の胸にあった言葉。今も、その想いを抱き、仕事に向き合っています。
きっかけ自分の武器と覚悟を持って、
次なる世界に挑んでいく。
大学進学を機に、加藤は新たな目標を探し始めました。
「小学校から高校卒業まで、まさに野球一色の毎日でした。悔いはありませんが、野球だけで終わりたくないという思いが強くなりました。もっと視野を広げたかったし、何か武器を持ちたいと思っていたんです。そんな時に、たまたま大学で宅建の資格取得講座があり、何かのきっかけになればと思って受講しました。初めて触れる知識ばかりで苦戦はしましたが、半年間勉強し、宅地建物取引士の資格を取得しました」。
宅建の講座がきっかけに、これまで何の興味もなかった不動産や住宅という世界に目を向けるようになり、ぼんやりと自分の将来のことも考え始めたといいます。
「僕にとっては、コツコツと勉強して結果が出た宅建は性に合っていたのかもしれません。練習を重ねて上手くなったらヒットが打てるみたいな、やった分だけ結果がついてこないと、僕頑張れないんですよ(笑)」。そこから、就職先についても興味が広がっていったそうです。
「不動産や住宅業界を調べ始めると、『実力主義』という言葉が目に入りました。頑張った分だけ評価され、給料ももらえる、そんな会社なら、とことん頑張れそうだと思いました。一方で、僕は、話すのが得意ではありません。口数は少ない方です。だから、圧倒的な商品力のある会社に行きたいと思っていました。その頃に出会ったのが一条工務店だったんです。『正直に、嘘偽りのない言葉で営業できます』と語っていた社員の言葉を聞いて、一条なら、自分が思ったままのことをお話することができる、ここだ、と思いました」。
実は加藤は、ある覚悟を持って就活に臨んでいたと言います。
「もし、一条工務店に落ちたらハウスメーカーは諦めようと思っていました。なぜなら一条を『ライバル』にしたくなかったから。一条の家はすごい、そう思っている気持ちで、他のハウスメーカーの家をお客様へおすすめするような器用なことは、僕にはできません。だから内定をいただけた時は本当に嬉しかったです」。
さらに入社後は、大学で取った宅建の資格が大いに役立ちました。
「お客様から、『新人さんなのにしっかりとした資格を持ってるんですね』と信頼していただき、商談を進めることができました。たまたま目にした講座に参加したことで、『武器』も『就活の軸』も手にすることができ、本当によかったと思っています」。
大切にしているもの信頼を積み重ねていくことが、
営業としての成果と目指す未来につながる。
1年目に2組のご契約、2年目は5組と順調に成績を伸ばしていった加藤ですが、3年目に仕事への向き合い方が変わる出来事があったと言います。
「3年目はいろいろともがいた年でした。住宅営業という仕事の面白さもわかってきた、結果もついてきた。だからもっともっと成果を上げたいと、とにかく仕事に没頭していました。少し周りが見えなくなっていたかもしれません。店長からは、『もっと余裕を持って取り組んだ方がいい』と言われましたし、商談もなかなか進まなくなっていました。ちょうどその頃です。1年目に契約してくださったお客様のお宅に、2年目訪問に伺ったんです」。
お引渡し後、定期的にお客様の家を訪問し、住まいのことで困っていることをお聞きする点検訪問で、加藤は入社間もない自分を気に入って契約してくださったお客様宅を訪ねました。
「お宅にお邪魔して、いろいろお話させていただきました。『本当に温かくて、冬の寒い朝でも楽に起きられる』、『室内で洗濯物を乾かしても、カラッと乾きやすい』、『一条の家に住めて、本当によかった』と言ってくださって。一条の性能のよさは、もちろん僕もわかっていますが、実際にお客様が実感として喜んでくださっているのを直接お聞きして、一条の家はこんなにもお客様を笑顔にできるんだ、建ててもらえて本当によかったと感じました」。
こうしたお客様との会話がきっかけになり、自分自身を取り戻すことができたと言います。
「商品説明を一生懸命するのではなく、僕のお客様はこうおっしゃっている、こんな風に家で過ごされている、というお話をするようになりました。自分のお客様のお話ですから、自信を持ってお話することができます。結果的に4年目は、9組のご契約をいただくことができました」。
住宅営業の仕事は、ご契約をいただいて終わりではありません。そこから、お客様との本当の関係が始まります。そんな関係を築いていくことが、成果につながるのだと再認識したそうです。
「いちばん大切なのは、信頼を積み重ねていくことだと気づきました。『嘘偽りのない言葉で営業できる』のは、これまでのお客様に、営業、設計、工事監督など大勢の社員や職人さんたちが、そういう家をつくり続けてきたから。みんなが築いてきた信頼の上に、僕の『営業という仕事』も乗っているのだと思います。だから、今まで積み上げてきたもの信頼を崩さないようにしたい。日々の業務の中で、信頼を積み重ね、未来につなげていきたいと思っています。それが、会社全体への信頼となり、後輩たちにも続いていく、そういう仕事なんだと思います」。
ひとこと
僕にとって野球は100%でした。そこに悔いはありません。でも、同じように何かに打ち込んでいる人がいたら、他のことに目を向ける「10%」を意識してみてほしいと思います。90%は今しかできないことを目一杯『全力で』楽しむ。あとの10%は、少し先を見据えた行動をする。この「10%」が、あなたの未来を大きく変えてくれると思います。